近未来SF
近未来の作品はさすが、そうでたらめな設定はないが、多くの作品が
なぜか、暗い世界である。
このジャンルはあたりはずれが多く、タイトルからは内容の予想が困難
なケースもままある。
有名な作品としてはブレードランナー、マッドマクックスがあり系統的に
もこの二つが代表である。北野たけし、キヤノ・リーブスがでたJMも
このブレードランナーの系列であろう。

ロスト・ゾーン(97)
未来の世界が地下になっていて、そこは荒廃しきった、悪が支配する世界であった。
組織に逆らった者は女子供に関係なく、抹殺されてしまうのである。
さらに、多くの人達が、自分の経験を入れ替えられている。
なにが本当かもわかりにくい。ある時、刺客が組織にたてつく女とその子を抹殺
するように、司令されたのだが、逆に彼らを助け、反対に組織から追われる事になる。
その女性が言うには、すでに地上は汚染が無くなっている、むしろこの地下が異常だと。
それで、3人は追っ手と戦いながら、地上に行く道を探しす。
全編地下の町の話だし、組織に洗脳された人達ばかりなので、不気味な感じは
ヨク出ている。名作と言われるブレード・ランナー(82)また、アーノルド・シュワルツ・ネガー
主演のトータル・リコールに出てくる、火星の町に似た画面設定である。
全編はこの組織との戦いの銃撃戦が主だが、刺客の洗脳された記憶との戦いがむしる
面白い。何が本当か?である。
今の世の中もTVなどでの情報操作とまで言わないが、一部統制されている訳で
なかなか、本当の状況が見えない。
まだ、運良く一部に真実を伝えよと努力している人達もいる。
ただ、なぜかそのようなTV番組などの視聴率は低い!もうすでに我々もとっくに洗脳
されているのかもしれない。


グランド・クロス(98)
俗に言う、B級映画である。
異常気象の原因が太陽の黒点に増大にあり、実に1/3の大きさになって、その結果
北米が10年から20年間ー20度C以下になると予想された。
政府は国民に何も知らせず、VIPのみ南国に移送する事に決定。
結果は悲惨な状況になるのだが...。
その中でも現警官が恋人、元妻、囚人、仲間、この事態を予想した博士などを拾い
ながら、脱出するお話で、その途中でいろいろな事件にぶつかるのだが...。
最初の部分以外は冬の状況を再現しっているが、何処で撮影したのか
確かに、雪だらけなのは大したものである。家も雪に埋もれてしまっている。
雪国に住んでいる私から見ると、いくらかの不思議と言うか設定の間違が多少気になる。
先ず、凍死した人がなぜ目を開けたまま死んでいるのだろう?
閉鎖される飛行場には人が沢山居たがその後がワカラン。
雪上車で逃げるのだが、家が埋まる位の積雪なのに、除雪したような道路状況が
??である。
そもそも、太陽の黒点が巨大になるのに、天文学者の話が無い。
マ、状況の設定が??が多いが、話としては色んなトラブルに遭遇し、それを
解決しながら進むのは、ロールプレーンゲーム感覚で、それなりに面白い。
設定に無理があるのだが、チョイト見ににはワカランくらいで、それ以上に
寒さが画面から伝わってくるので、結構楽しめる。

スフィア(98)
Sphereとは球体、天空、 [活動・知識・勢力などの]範囲,領域,分野と辞書にある。

宇宙からのUFOが太平洋の海底に沈んでいるのを海底ケーブル敷設の時に見つけ
エーリアンと最初にコンタクトを取るために心理学者のノーマンが以前に提案していた
メンバー(実は旧知の仲)で調査に当たるお話です。
船内に見つけた金色色の直径20mはあろうかと思える液体のような金属のような不思議な
完全なる球体を見つけ、どうこれを調査するか?が最初の問題になる。
最も不思議なのは、人だけがが表面に写っていないのだ!
知性のある?球体!
これを発見してから、不思議な事が次々に起こる。あり得ない事が起こるのである。
見えない的おもえるスフィアの行動もいまいち理科出来ない!
心理学者のノーマン、女性生物学者のベス、数学者のハリーの行動により不思議な
事故が起きるため、お互いを信じられない状態に陥る。
その原因がスフィアだとは理解するもどう対処指定いいのかわからない。
わからないまま、危険が迫ってくる。

この映画をみていると、フト、SF古典の「禁断の惑星をおもいだした。
「禁断の惑星」では透明怪獣が出てくるのだが....。
スフィアではもう少し違っている!巨大イカ、毒クラゲ、毒海蛇、だがそれも定かでない。
また、不思議な事故も続発する.....。
この映画は心理学者のノーマンと共にこれらの事件、現象の原因を考えるおもしろさが
ある。たぶん大概の人はおもしろかったで終わるだろうが、人類の将来、潜在意識の
不思議を考えると......。
この映画では深くは描いていない、ただ、事件、事故を一つ一つ解決していくだけでは
あるが......。
たぶん、原作の小説ではそこら辺がもう少し描いてあるのかもしれない。

パニック映画としてもおもしろいのだが、ぼんやり見ていると何が何だか分からなくなるかも
しれない。前後の脈絡が起きていることから簡単には推理できない作りであるからだ。

海底と宇宙の設定が違うだけで、ぼんやり見ていると、宇宙物?とも勘違いしそうである。
宇宙船、海底基地、などの作りはなななか手慣れている。コンピュータとのやりとりも
おもしろい、この辺は「ウオーゲーム」、「2001年宇宙の旅」感覚でもある。

結構、あちこちのおいしい所取りである。悪く言えばオリジナリティに欠ける映像作りとも
いえる。メインはやはりSphereであろう。神か、エーリアンか、はたまた、未来の機械なのか?
これを見た、あなたは何かを感じるだろうか?

ポストマン(98)
監督、主演はケビン・コスナー(ポストマン)で相手役としては、オリビア・ウイリアムズ(アビー)
仇役はウイル・パットン(ベスリヘム)、No2のポストマンはラレンツ・テイト(フォード)
この映画は長い!3時間近くある。だが、内容的に飽きさせない位のものがある作品です。
舞台は極近未来2013年のお話。
題名から逆に過去、第一次大戦とかってに勘違いしていた。
第三次世界大戦後の科学技術も、通信も総てなくし、家族もバラバラに疎開先で生きている。
そのな世界だから、元コピー機セールスマンのベスリヘムがありったけの武器を持った、軍隊を組織し
近隣に恐怖政治を行っていた。
ここまでは、今までの近未来SFにありがちな設定。
確かに、序盤はそんな感じを受ける。失敗かな?と思ったくらいである。
が、旅役者のコスナー(このときはまだポストマンではない)がとある村で、ベスリヘム率いる軍隊が
来たので、逃げようとしていたが、見つかり、強制的に兵隊にさせられる。
だが、ある時、ライオンのいる場所に行った男を探しに行き、死体を持ち帰ったとき、高いつり端から
自ら、川に落ち、逃亡、追っ手を振り切り、途中で、雨宿りに林の中にあった壊れた車に乗り込む。
そこには白骨化した、ポストマンがいた、暇に任せ、有った郵便を読む。そして追っ手の目をごまかし
行き先でも、役人と偽る事で、いい待遇をうける。
ここからが、いよいよポストマンである。
最初の村では、思いの外歓迎を受けた、そして、持っていたいくつかの手紙を住民に手渡した。
15年目に手渡された手紙も有った。受け取った者はみんな感激し、絶望の中から一条の夢をみた。
希望の光である。そこにいた、フォード少年が、自分もポストマンにしてほしいと願い、渋々、そこの
誰も使っていなかった郵便局を開いた。
また、アビーは夫の不能の為に代理夫をお願いし、寝ているところを、無理矢理押しかけて結ばれる。
だが、ベスリヘムの魔の手が忍び寄る。ポストマンが立ち去った後に、ベスリヘム軍隊が来、そこで
アビーの夫を殺害し、アビーを奴隷の様に連れ去る。
次の村で、ポストマンは村を襲わない様に、交渉に行くが逆に捕らえられる。
その時、アビーは兵隊から銃を奪い乱射する。そこでポストマンはアビーを馬に乗せ逃げるが
腹を撃たれ重傷。そんな彼を連れてアビーは気丈にも軍の網をくぐり抜け、人里離れた山小屋で冬
を越す。
そこで、アビーはポストマンが偽物と分かるが、春先に、山小屋に火を付け無理矢理下山、たどり着いた
所にフォードが若者を集め、郵便配達人を指揮していた。ポストマンを英雄扱いにし、適当に嘘をいい
みんなに希望と使命を与えていた。
それで、ポストマンは自分の本心とは裏腹に英雄に仕立てられ、自らも意志と誇りを持った。
ここまでが、中盤、後は映画を見てくれたまえ。
後半は、どんどんとしかも静かに感動の高まりを感じるはずである。
話の流れとしては、ウオータ・ワールドにも似たところがある。
がこちらは、仕掛けは大したものはない。下手をすると3流映画!並である。
が、カメラワークが凄い、ローアングル、ハイアングル、クローズアップ、スローモーション、と実に凄い!
このカメラワークが無ければ...と思うほどである。
また、バックの音楽も実にタイミングがいい。
愛と自由と希望をみんなに分け与えた凄い男、それはポストマンである。
最期もへたをするとつまらないものになりそうなのに、ポストマンが本者のポストマンになった瞬間の
映像が、見る者を感動のなかに連れていき余韻を手渡してくれる。

長い映画ですが、実に素晴らしい映画です。
近未来という場を設定したのも良かった。良くあるアクションSFに成り下がらなかったはさすがである。


フイフス・エレメント(97)
結論から言うと、ストーリがダイハードの乗りである。主役もブルース・ウイルスだし。
せっかくのアイデアも、凄まじいまでのバーチャルCGワールド(未来のニューヨーク)
も、マーズ・アタックの様にチャカシがあるため、拍子抜けするのである。
12モンキーズ、ブレードランナー風にしてほしかった。
フイフス・エレメント(第五番目の要素、1から4は風、土、水、火)のアイデアは良かったが
成熟させきれなかったのが残念である。

が、
メチャ楽しい、まずこのバーチャルシティが素晴らしい。ブレードランナーの比では無い!
未だこんなに明るい描写で!、このスケールで!見せてくれた映画を私は知らない。
この驚きは、禁断の惑星に出てくる地下都市を見たとき以上である。
この映画の価値は、このシーンだけでも十分すぎるくらいである。

また、悪者の宇宙人の出来も素晴らしい。どちらかと言えばスタートレックにでも登場しそうな
造りである。
また、フイフス・エレメントを持っているいい宇宙人は、天空の城ラピュタのロッボトに
似ていなくもない。
第五番目の要素になる、クローン人間(完全なる女性)は服装はまあまあだが、
もう少しメーキャップにこってほしかった。特に髪の毛の色がきちんと塗れていないような感じ、
がどうも...、

ニューヨークも凄いが、リーゾートホテルの造りもいい。
武器の造りもカナリのものを感じる。

ストーリ的にはダイハードに似ているので、結構楽しめる。


ストレンジー・デイズ(1999年12月31日)(95)
長編ものである。145分もある。
制作・脚本がジェームズ・キャメロン
殺人魚フライングキラー、ターミネーター、ターミネーター2、エーリアン2、アビス、
ツゥルーライズ、の監督だそうだ。
監督はキャスリン・ビグロー
出演も超一流でもない。
退廃的世紀末でドラッグではなく、スクイッドというバーチャル体感装置
でこれのDISK(MDに似ている)が売買されている。
これでSEX、など人の体感したものを、あたかも自分の体感として感じることが
できる。ただ、使いすぎると中毒になり、廃人になるらしい。
ところが、殺人現場を収録したDISKが.....。
出来としてはブレードランナーを超えている。テンポは刑事物の乗りである。
近未来の常として、夜のシーンが多い!
最後の字幕に流れる音楽は、沖縄民謡+ロック、ミョーナ感じがするが、
描写されている時代の雰囲気を十分に感じさせられ、時にゾクと感じさせる。
前半の乗りはいまいちな感じを受け2流作品?と勘違い思想であるが、
中盤からの伏線としてはなかなか良く出来ている。
DISKがSONYのMDを使っているのは少々安直。 スクイッドはオーム教の
ヘッドギアを連想させる。
このスクイッドを考えた時点でこのSTORYの構想が出来たのではと思わせるほど
事件の展開に重要な役割をしている。だから、相当にこの機能について考えたのだろう
とおもわれる。なかなかの出来である。
ただ、事件が2つ交錯しているのは...話を複雑にする為か?
最後の結末も良く見ていないとどうなってるのか?と分からなくなりそうである。
主役の役所もなんだかわかりにくい。元刑事のレィニー相棒が黒人女性はやたら
強くピンチをなんども助けてくれる。マザコンぎみの私のタイプでもある。
しかも、あの筋肉...よそにそれるため、これで。

ブレードランナー(82)
主役はハリソン・フォードである。
役は人間社会に紛れ込んでいるレプリカントを見つけ処刑する警察官
(ブレードランナー)のお話である。
だが、人間か、レプリカントかを見極める特殊技能を身につけている。
嘘発見器のような、やり方で見つけるのだが...。
レプリカントといえども人間とどこが違うのかといえば力がある、寿命が短い
赤ん坊として生まれるわけではないので、過去は作られたものを脳にレコード
されているのだ。だが、寿命が短いため、精神的に不安定になる。当然
人類にとっては危険な存在となる。
無人のビルでの死闘もすごい場面である。ここでレプリカントのボスは
非常に人間的な疑問をこのブレードランナーにはき捨てる様にはなす。
ブレードランナーはきちんと答えられない。
この場面は何度みても、やはり答えを出しにくいはずである。
この都市はいつも雨が降っている。人が何の目的があるのか大勢が
歩いている。東京にも似ているこんな場所が何個所かある。
監督はひょっとして....それはないか。でも電光掲示板には日本
の女性が...。
最後に残ったレプリカントそれは女性、覚悟は決めている。
彼女ももっとスルドイしかも悲しげに質問をする。
ブレードランナーは彼女を殺せなかった。しかも、寿命が来ているのに
死なないし、異常も見当たらない、むしろ、悲しみを背負った女性にみえる。
ここらははっきりとは描写されていないが、
SF小説にはアンドロイドの奥さんをもらうお話もあるので
個人的ははっきりさせてほしかった。
でも、彼女上級秘書の役にぴったり、表向けは人間臭さを消している。
余計、本物か、偽者かが分かりにくい状況を作っている。
小道具的には余り見るものがないのがSFファンとしてはさみしい。