レッド・コーナー 北京のふたり(98)

リチャード・ギアだし、タイトルもそうだし...だから、見る前はロマンスかアクションと思いこんでいた。
確かに、出だしはそんな雰囲気であった。ガ!
舞台は題名のとうり北京なのである。
ジャック(ギア)が中国の綺麗な女性と高級ホテルでイイ思いをした翌朝彼女は殺され、ジャックは中国警察に連行される。
ここから??脱走する映画か?とも思ったが...シェン・ユイリン(バイ・リン)なる事務的冷淡な女性弁護士が彼の
弁護を引き受ける。しかし、お世辞にも弁護と言える代物ではない。有罪を認めなさいと言うのである。
この国ではそれが当たり前...!!それを認めた上で減刑してもらうのが一番イイ方法なのだと、
当然ジャックは認めない。アメリカ大使館の人間も簡単に手を出せない。担当の者は弱腰だし...。
だが、ジャックとユイリンは喧嘩をしながらも、徐々に気持ちが通じ合うようになる。
そこで、ユイリンの活躍が始まる。まるで人が変わったように....。
この映画の中心は不可能と思える困難に立ち向かいながらも、安易な方法で逃げようとはせず、
真理と真実、それを裏付ける事実で、しかしそれを支えるのは闘争心でも愛でもない、
逃げることによる後悔の念を残したくないからである。命に賭けても...。
彼ら二人もこの事件に巻き込まれなければ、最初は人生をいやのモノにめを閉じ、綺麗なところだけを
眺めてごまかしの人生を送っていたはずなのに...。コレも終わりの辺で教えてくれる。
中盤から後半にかけてさらに、たたみかけるようにめまぐるしくいい加減に見ている者に「チャント見ろ!」
と言わんばかりである。
無防備な二人に陰謀の手が襲ってくる。牢獄は最悪である。食事の食器を監視員がトイレの水で洗う!
後半でジャックが逃亡して、アメリカ大使館に逃げたあと、ユイリンの熱意に動かされ自首するも
その後の投獄は裸にされ、小さな部屋に押しこめられる。動物以下のあつかいである。
だが、不思議に自分で自分の弁護を出来る所も不思議である。
実際の中国が分からないから何とも言えないが、よく見るアメリカの牢獄なんてお呼びでないくらいである。
ユイリンを演じるバイ・リンは痩型だがその弁舌の迫力はスゴイ!
確かに、アメリカ映画は法廷のシーンは「ペリー・メースン」「弁護士プレストン」のTVシリーズからしって、
歴史があるからなのだろうが、大迫力である。そして劇的な大逆転が....。
二人は結ばれるはすもないが、一応ジャックは「アメリカに来ないか?」というのだが...
中国は私を必要としている。と、正義の戦士の誕生だ。
だが、この映画の撮影はアメリカで撮られた。まだ、まだ、かな....?