DUNE /砂の惑星
(2002) 角川書店

各90分ぐらいの上中下巻からなり、全部を見るには疲れる。
作品としては、NHKのドラマを見るような感じで、会話により相互の状況を説明している。
そのため、よく見ていないと理解出来ない事がある。
スター・ウオーズと大きく違うのはこの点だろう。もう一つ違うのはSWではいろいろな種類の
モンスターや外見の違う人種が出てくるが、DUNEではみな人間!ただ、砂漠の民は目が皆青い!
スパイスのせいらしいが....。
DUNEは中世のヨーロッパ的な感じである。ストーリや建物の内装がそうなのである。
そのせいか、建物の内装、貴族の服装がかなり微細に凝っている。
反対にSF的な部分がナゼかセコク見える。たぶんCGでなくゴジラのように模型を使ったような
感じで、その割にモデルが大きくないかのように思える。デザイン的には面白いのだが....
たぶん、TVで見る事を前提に作ったのか?とおも思える。
そう見ると、カメラアングルの動きや、会話の多さはそのせいと納得できる。
お話としては84年に作られたデビッド・リンチの作品と比較すると上巻の部分無かったのだと分かる。
さらに、全体の話もデビッド・リンチのは分かりずらいのだが....こちらはそこの所が丁寧に作られている
ドラマ仕立てといえるくらいである。
だから、アクションシーンは以外と少ない。特に上巻は少ないので、SW的感覚で見るとガッカリする。
面白くなるのはやはり中巻からで、陰謀、裏切り、出会いなど展開が忙しくなる。
だから、デビッド・リンチは上巻部分をカットしたのかもしれない。
SFXも手抜きしてるわけでなく、ワームもデビッド・リンチのものより遙かに丁寧に見せてくれる。
ただ、最後まで分からないのが、ナゼ、スパイスが重要なのかは分からなかった。
砂の惑星はこのスパイスを廻る陰謀、策略、なのだからそのために、主人公(ポール)の父(レト)が
殺される、ポールと母(ジェシカ)は砂漠に逃れる事になる。たどり着いた岩山に砂漠の民フレメンに
出会う。そこでポールは以前から夢で出会ったチャニを見初める。
さらに、フレメンの長ステルガにも協力してもらい、宿敵であるハルコネン男爵、さらに皇帝シャダム4世
と戦う準備をする。まさにNHK大河ドラマなのである。
だから、余計にスパイスの意味が重要なのだが....ここでは単に経済的に重要な物として設定されている
スパイスを口にすると目が青くなるが、ただ、青くなるだけのような説明は寂しい。
個人的には皇帝の娘イルランの清楚でありながら知性的で策略にも長けた怪しげな魅力が気にいた。
もう一つ悪役の男爵がナゼ宙に浮かんでいるのか分からないのがザンネンである。

監督・脚本:ジョン・ハリソン
製作:リチャード・P・ビンスタイン
原作:フランク・ハーバート

出演:
アレック・ニューマン
サスキア・リーブス
マット・キースラー
イアン・マクニース
ウイリアム・ハート