ティコ・ムーン(97仏独伊)
珍しくフランス、ドイツ、イタリア合作
独自SF感覚のフランス映画界の鬼才と紹介されている物があるが...。
鬼才ね?
「ブレード・ランナー」「フイフス・エレメント」の映像美に影響を与えた劇画家
エンキ・ビラルが監督だそうだ。
確かにハリウッド映画とは異なった感覚を見る者に与えるが...。
確かに、「ブレード・ランナー」「フイフス・エレメント」の雰囲気は残しているが...。

私に見た限りでは
1:ストーリーの表現が抑揚などのポイントがないのである。だから、間延びしたストーリとなり
  反対に見る方がいろいろ考えないといけないが考えても違っていたりする。
2:予算のせいか、言葉で説明する箇所が多い。NHKのドラマみたい...。
3:セットの小物などが古道具屋から仕入れてきたのか、未来を感じさせにくい。
  たぶん、未来は廃退した世界とでも言うのだろうが...。
4:カットが長い。カメラがあまり動かない。
あえて、ハリウッド映画と違った手法を取ったにしても...
一応、植民地の月が舞台らしいが、どう見ても、地球。
けちばかり、付けているようだが、
これはこれの楽しみ方がある。
フランスらしい、雰囲気はある。不思議な存在の女殺し屋レナがこれまた、無表情な
Coolと言うべきか妙な色気を漂わせる。これはハリウッドでは見かけない雰囲気である。
カツラが真っ赤なのは流行なのだろうか?フイフスエレメントの女性も一応赤かった。
支配者らしき老人とその一族が奇病にとりつかれ、それを直す為に、ティコ・ムーンなる
男性の臓器を移植しようと暗躍すると言った話なのだが。
気を付けて見ないと敵味方が良く分からなかったりする。

私としては、この女性の魅力が一番印象に残っている。ンーンハリウッドに毒されている!

DNAU
95分と短めである。さらに前のDNAと違い、有名俳優は出ていない。
制作費エコノミー映画かも知れないが。出来はGOODである。
前回のはホラー映画(見方によっては地獄の黙示録風)になってしまったが。
これは、きちんと恐怖映画のポイントを押さえている。しかもカメラワークも
いい腕している。ストーリの展開も文法道理、2、3以外手抜きはない。
全体的印象はプレーデター(50%)+エーリアン(40%)+DNA(10%)
といったところ。
序盤でエーリアンを発掘するところは、スターゲート風。
と書くと、ツマラなさそうに感じるかも知れないが、違和感なく期待通りに
恐くなり、ハラハラさせられる。エーリアンの動きもなかなかいい。
他のいい所取りでこれだけ作れるのは、スタッフの力量が伺がわれる。
宣伝がいまいちなのがオシイ!

インカウンター
これも、DNA2と同様である。
こちらは、ストーリ自体が面白い!展開のテンポもいい。
ターミネターの様に未来から、ロボットが送られてくる。しかも、人工皮膚が
変形して、いろんな物に化けられる。だが、恐怖でなく人類の未来を救うために
送られてきたのだ。12モンキーズの様に滅ぶ原因を取り除く為に着たのだ。
探査ロケット実験の失敗が原因なのだが、なぜ失敗したのか、を調査するとともに
問題を取り除くべく活躍する。
ターミネターのような派手さはないし、ハラハラもないが、がんばれとつい
応援してしまいそうになる。ターミネターともう一つ同じ設定は主役の黒人が
人工知能技術者という設定...。マニアックな人へのリップサービス。
こういったサービスは大歓迎である。

スペースクラッシュ
オシイ!映画である。
宇宙船の概観はいまいちだが、宇宙服、船内のディスプレーは一流だ!
個人的好みとしては、最近のスタートレック、ファーストコンタクト
のインパネより未来的な感覚する。
反対に宇宙船のデザイン、撮影はちょいと腕が悪い。
特にカメラワーク。かなり悪い。緊迫感が伝わらない。
地上での会議も、会社の会議風で地球の最後といった雰囲気ではない。
監督が悪いのか、細かな描写が3流である。また、音楽が間のぬけた
テンポがいかん!緊迫感が始まった時から、レベルを押さえた鼓動に
近い重低音を流すべきである。
それから、警告音、息遣い音、ここら編はエーリアンを勉強してほしい。
が、ストーリは面白い。
隕石が落ちてくるのを防ぐ為の宇宙船で何者かによって、次々と事故を
起こし、さらに乗組員も事故死する。
地球を救うという宗教団体、これもなんか台詞はいいのだが、人数が少ないし
迫力に欠ける。手先になって働く女性はいい。表情を変えずしかも強い。
本当にオシイ映画だ。もしこれがDNAUのテンポ、カメラワーク、効果音
で作ってくれれば。相当いい線いたかもしれないのに....。

スペースガーディアン
TV向けの映画だとおもう。
カット、音楽があまりいいとはいえない。
終わり近くになると初めて面白さが出てくる。B級映画だと後半予算不足で
手抜きになるのであるが、TVだから徐々に人気が出たのか、はじめからの
予定かは不明だが...。
最後の方で分かるのが惑星の中に入った時その光景が「禁断の惑星」とそっくり
だった事だろう。
しかも、そのエネルギーがコントロール不能になると惑星が爆発して、周りに
ある人工衛星も巻き添えにしてしまう。
それを、ふせいでいる500才以上も年老いた老人があと6日で寿命で死のうと
しているため、惑星が不安定になっている事をしる。
そこで、老人は3人の候補に幽霊の様に現れて、助けをこう。
そこでリタイヤした老人がその後継を引き受ける。
さらに、かってその惑星から追放された悪人ども嗅ぎつけ、攻撃してくる。
ま、終わりの編にえらく力が入ったなと思うと同時に終わりよければ
それまでのまだろこしさも忘れてしまう。

サンドストーム
世紀末SFというより、未来の囚人映画?
この星は、刑務所は管理する人たちだけで、囚人は全て野に放たれる
そこは砂漠。盗賊が襲いかかってきて、皆殺し。
しかし、2人生き残る。一人は盗賊に。一人は別の弱い部族に入る。
ここで、おもしろい設定が、この弱い方に入った男が、まじめで
工学屋である。だから、戦い方は知らないが、水の浄化装置を作り
野菜を耕作する。
このシーンをみていると、「久米 宏さんのニュースステーション」
でかって紹介した、退職した日本人がネパールの山奥で電気のない
ところに自力で水力発電所を作る場面によく似ているのに驚きであった。
まさか、この監督あの場面を見ていたのかなーと。
今迄は大概、過去のありそうな風来坊が登場となるのだが。
しかし、そこに、もう一人が頭になって、おそってくる。
ついに、戦いの知らない男が、かって助けられた男に戦い方をならいに
行き、最後に一対一の戦いを挑む。
殺されそうになるのだが、弱気の人たちが遂に立ち上がる。
で、めでたしめでたしのおはなし。
平和主義の男も愛する者の為、戦う様になる。プロセスも
よく見るとせこいが、結構楽しませてくれる。
単なる戦いの映画では無いところがいい。たぶんこの監督
いい映画をちゃんと見ているのではないかと感じた。