アルマゲドン(98)
結構長編なのだが、おもしろく、飽きさせないように作ってあるから時間の経つのが嘘みたいに早い。
確かに、度肝を抜かれる様な設定があちこちにしかも予想を超えてしつらえてあるところが憎い。
娯楽超大作はかく作るべきとの見本のような作品である。
日本では難しいだろうな。
どこがおもしろいのか?
出だしでNYを襲う隕石の惨事やパリの壊滅的破壊のシーンなどのSFXがスゴイから?
ブルース・ウイルス主演だから?プロデュースがトップガン、ビバリーヒルズ・コップ、ザ・ロック
を世に出したジェリー・ブラッカイマーだから?
バックに流れる音楽がいいから?リブ・タイラーが助演だから?
いや違う。それらみんなだが、効果的なのは、何の言ってもカメラワークである。
小惑星でのあわただしい作業の目が回るほどのカメラの切り替え、アングルも360度
どこからでも撮す。特にうまいのが目線より下から上になめるように撮すところが多いが
これは見る対象を尊敬の目で見るようになる、これが英雄を作る!
また、精神的にシビヤな場面ではスローモ−ションになる。これも人間の感情にマッチした
撮り方で、思わず目頭が....。
つまり、全編人間の心理と同期したカメラワークがこの映画をここまでおもしろくさせているのである。
しかも、バックの音楽も同期させながらである。
スピルバーグのデープ・インパクトもスゴカッタがカメラワークではこちらが数段上かもしれない。
また、デープ・インパクトは彗星だし、こちらは小惑星の違いは有るが、いずれも地面に穴をあけ
深いところに核爆弾を破裂させるところは同じだ。
ここ作品の小惑星は今までのイメージと随分異なる。
一番の違いは小惑星周りにさらに小さな星が有るのである。これが一種の潜水艦に対する機雷
の様な感じで宇宙船を襲いかかる。
これは??ではある。ややおもしろさを倍増させるための設定では?と疑いたくなる。
つまり、より達成が困難になるような、さながら戦場の様なありさまをかもし出す為では
無いのだろうかと思うが。
これは、映画的には成功したのかもしれない。そうでないと、たぶん、あのファンキーな野郎どもの
キャラクターも生かされない結果になったかも。
しかも、最後に泣きの入るシーンとタイムリミットの瞬間までの秒読み!
体が硬直させるに十分な演出はさすがである。よく考えると変なんだけど...。
考える余裕を与えないのもさすがであろう。
出発前にNASAの指導者トルーマンとハリーの会話でハリーが自信は有るのか?
の問いに”あきらめないこと”と言ったのがインデペンデス・デェイでも同じ精神が貫かれている
のが、いかにも強いアメリカを印象付ける。
血、汗、涙のある力強いメッセージが込められた作品でもある。