パーフェクト ストーム(2000)
自然をテーマにした一連のパニックものだが、この手の作品の勝負どころはやはり特撮だろう。
俳優も多少関係するだろうが.....。
「ツイスター」からメジャーなテクニックになったように思うが、それまで有った事のない状況を作っている。
この作品の場合はハリケーンが合体しその谷間にカジキ漁船が入り込んでしまう話だ。
この作品はもう一ひねりとして、のどかなしかし貧しい漁村の話も織り込んでいて、カジキといえば
そう、ヘミングウエイの「老人と海」を思い出す。
話もそういえば似ている。
この映画の主人公ビリー船長(ジョージ・クルーニ)もズーットスランプで水揚げが少ない。
そして、再度、その年の最後の漁に、しかも、危険な海図もなく、いままで、村のものが一度
しか行かなかった場所に出かける。
最初からそこに行くつもりはなかったのだろうが、相変わらずの不漁で...船長は決断した。
そこでは、今までにない大漁だった。ついに製氷器もこわれ、帰途に就いた。
が、しかし、行く手を巨大な嵐が...。そのときはそれほどでもないと全員が思った。その気に
なれば、何とかなると。もし嵐をやり過ごすとなると、5,6日も停留する事になり、
製氷器が壊れた今となっては、つり上げたカジキ30トンが腐ってしまう。
究極の判断だった。
ハリウッドの最近の作品のテーマの一部としてこの究極の判断と言う奴がなかなか好評のようで
よく使われる。確かに、余裕で待って居れれば、映画にならんだろうな.....。
嵐は遠くにあったよって事で...。
そのための条件で
1:今まで不漁続きで収入が少ない。
2:勝手は村の代表的な漁師だったというプライドがある。
3:近年にない大漁に恵まれた。
4:製氷器が壊れ、一刻も早く帰らないと魚が腐る。

方法は

1:無理にでも突ききる。
2:あきらめ、魚を捨てる。
2は全部捨てなければならないかどうかは不明だが、たぶん相当捨てる事になる。
さて、このとき気象状況をどう判断するか?一報が入った状況では何とか大丈夫と判断した。
ところが、最悪の合体になってしまった。
ハリケーンが2つ近づいていたとして、その谷間はどうなるのかは定かでないが、
風の向きは反対になるので、風はうち消されて弱まるはず。
と判断したのだろう、そこで進路を谷に向けたのだろう。
ここのところの説明がもう少し欲しかったな。

また、嵐の中で、錨が操縦室に飛び込んでくるシーンがあり、大変な作業になるのだが、
ハリケーンに向けての準備が一生懸命やった様にはみえないのも少々....。
気合いだけで未体験な危険に向かうか??船を信頼し過ぎていた?...ワカラン。

また、息抜きか、一つでは足らないと思ったのか、ヨットの救助もある。
こちらも命がけではあるが......私的には余計だと思った。
一応、ヨットの救助後に漁船の救助に向かうのだが、燃料切れで、ヘリコプターは海に....。
しかし、まだ、救助挺が有るのに....??

あと乗組員が船内で食事しているのだが....嵐なのに....そんなもんテーブルに置くか??
ま、疑問も多々あるが....。

出航の際に昔の事を思い浮かべた情景が出てくるのだが、これが正反対な位に叙情的な詩のようで
これから起こる未曾有の体験をより強烈なものにする効果がある。

お金か、人生かの選択が基本にあるが、いかにもアメリカ的だ。

なかなか、見応えのある作品でした。