微笑みをもう一度(99

サンドラ・ブロックの主演作品だが、彼女ラブ アンド ウオーでもどちらかと言えば
悲恋といえる映画に傾いているように見受けられる。
この作品も実にショッキングな話から始まる。TVで親友と思っていた友達に自分の夫を
横取り宣言されてしまい、結果は母のいる田舎に一人娘と帰っていく。
そこは、昔、ハイスクール時代女王にような存在で、夫とはそのときからの知り合いで
夫はスポーツ選手としてみんなが認めている存在で、ベストカップルとして当然のように
結婚したのだが....。
傷心の彼女を迎えた田舎には昔のやっかみを持ったのが多かった。
だから、多くの人、特に同姓はいい気味とさえ思っている人たちが多かった。
一人、ジャスティン訳有って彼も田舎に戻って働いていた。
ジャスティンはしかし、なかなか、立ち直る事ができなかった。悔しさがいっぱいで
その思いから抜けきれないでいるのだ。母親が助言を与えてくれるが....。
全体に、失恋よりキツイ条件だから、物語も重い。秋空の様にさわやかな天候だし、
好青年のジャスティンもすぐ登場するし、もっとかわいそうな、父親が必ず自分を迎えに
来ると堅く信じている娘のバニーズ。この娘より年下の彼女たちの前から姉が仕事の都合で
預けている男の子トラビス、いつも自分の世界で遊んでいる変な子でもあるが...
途中で、お母さんも心労のあまり死んでしまうし...。
で、強く生きなければいけないと自覚するように成るのだが....。
淡々としたカメラワークは彼女の悩みをもう一枚ベールで覆ったような結果になり、
TVドラマだとこれで良いのでは?と思えるくらいにマイルドに仕上がっているのがチョト残念。
難しい問題も自分のこと、娘のこと、母親と娘、新たな彼氏、昔の同僚達の嫉妬心、
町の人たちの好奇なまなざし、自閉的な男の子。
たぶん、生きていく事はこんなにもいろいろな問題を抱えているから、めそめそしている
暇は少ししかないのだよ、明日に向かって一歩また、一歩と確実でもなくて良いから進もうよ。
と作者は言いたいのかもしれない。

振り返って、現在の日本。リストラの嵐。バーディとは状況は違うが、信じていた会社から
三行半!その意味は同じだ!過去を振り返っても自分を傷つけるだけ。
ツライけど一歩を進めなくてはいけないのかもしれない。