ジョー・ブラックをよろしく
Meet Joe Black (98)
長い上演時間の映画である。しかも、淡々とした...。たぶん途中から見ると飽きるかもしれない位である。
しかし、最初のところで素晴らしい仕掛けを作った。
スーザン・パリッシュ(クレア・フォラーニ)が父のパーテーから帰り、恋人?とわかれて
カフェに行きそこで、どこから来たのか、ジョー・ブラック(ブラット・ビット)なる青年が電話を掛けている。
話し終わって、スーザンに近寄り、話かけ、何とはない話をする。
スーザンも何処か憎めないこの青年を好きになってしまう。そう、パパがもっと情熱を持つ
恋とは雷のようなモノだ。といっていたように...。
何かを2人に起きたのだ。医者のスーザンはもう仕事だからと...2人はカフェを出ていく。
ここが最初の最高のシーンなのだ!
2人は反対方向に歩くのだが、お互い気になるのか振り返る。でも相手は向こうに歩いていく..。
また、歩く...。今度は相手が振り返る当然向こうに向かって歩いていく。
そして何度も、何度も...お互いが誰なのかも知らないが...なぜかとても気になる。
が!突然ボーッとして歩いているからジョーは車に跳ねられ、どうなるのだろう....。

今度は突然にスーザンの父のウイリアム(アンソーニー・ホプキンス)の所に、どこからともなく
声がする。そして、ついには姿を現し、自分は死に神だと、しかし、人間を知りたくなったから
おまえが案内役になれと...、この死に神はなんと先ほどのジョーである。 
しかし、アメリカ映画らしからぬ、実に淡々と、死に神とはいえないし...どうなるのだろうと
死に神の仕事を長年やってきただけで、人間社会にはなじんでいないから、その行動が
実にぎこちない、まわりの人間はこいつ何者と思いつつも、父であり大会社の社長でもある
ウイリアムがジョーとだけしか紹介しないから、聞きたくても、聞けない...。
ここら辺の描写が、雲の上に居るような雰囲気をかもし出している。
ジョーの歩き方、仕草が...その他の者まで何かはっきりしないそんな雰囲気を、
いつもの動きの激しいアメリカ映画とは雰囲気が違うが、チョト退屈に見えるのだがこれが
良いのである。スーザンも先ほどカフェで合った名も知らない青年がなぜか父の晩餐に同席
している。驚きである。
しかし、その不思議な魅力にスーザンはジョーをだんだんと好きになる。
死に神であるジョーも不思議な気分になて、最初はとまどっていたが、結局2人は愛する。
このプロセスも、いい、中で、ジョーがスーザンのいる病院に行くが、そこで、患者の元シスター
らしいオバーさんに怖がられるが、オバーさんに大丈夫と言う。
ここも、カメラを引いて取っているのが2人だけの秘密みたいな状況が良く出ている。
しかも、このオバーさんが一つのキーを持っている。
会社もスーザンの恋人だったドリューが乗っ取りに成功し、父を社長のイスから落とす。
ウイリアムはもう幾ばくの時間もないからあきらめるが....。
最後の晩餐になるスーザンの姉アリソンが開いた父の65歳の誕生会の幕が始まる。
ここで、最後の時間に向かって、一つ一つ解決されるのだが、それらがみんないいのである。
愛に満ち満ちている言葉、行動が....。一時はスーザンとウイリアムを一緒に連れていくと..
だが、約束が違うと!ウイリアムは怒る!
ジョーはドウするのだろう....。はらはらドキドキしながらも、同時に感動も交えて最後の
時に向かう。

淡々としているから、ドッシリと感情がこちらに伝わってくる。十分な時間をかけて、だから
3時間の長時間...。
俳優ファンなら、ブラット・ビットだけでなく、クレア・フォラーニ、アンソニー・ホプキンスの人間の
大きさ、愛情の大きさ、そして、姉のマルジア・ゲイハーデン、姉の気が弱が優しい夫の
ジェフリ・タンバー、そして悪役の元恋人役のジェーク。ウエバーこのメンバーだからこの映画の
大きな単に恋人同士だけでなく、親子の愛、人を愛する事を含めたラブロマンスが成り立つのだと。
この映画は、本当に俳優の演技力が見せてくれる映画にしている。
違うメンバーではこのようにはいかない。
甘っちょろい映画だと思う人は、親子の愛を見ていないことになる。
でも、まだ若い人にはりかい出来ないかもしれない、そんな意味では、大人が見る映画かもしれない。
死に神でもその愛を犯す事は出来ない。