大いなる遺産(98)
イギリスの文豪チャールズ・ディケンズの名作を現代アメリカ版にアレンジしたものだそうだが
実に不思議な、ラブロマンス映画だ。
いきなりが怖い。逃亡者(ロバート・デニーロ)に脅迫され、逃亡を手伝う。
ン!サスペンス映画か?と思ってしまう。
が次に、庭の手入れが行き届いていない、豪邸に招かれ、そこで不思議な少女に出会い
家に帰ると一人で招待され、コレまた不思議なオバさん(アン・バンクロフト)に逢う。
スリラー物か?
大きくなったある日NYに招待され、個展を開くようにし向けられる。
誰から?また謎だ!
そこで、少年のころ招かれた豪邸の少女が大人になってNYで再会!
何か運命の糸が.....。

カメラワークがアメリカ映画とは思えない位に綺麗だ。静かに大地をなめるように映すテクニックは
ヨーロッパの物だ。
だが、走るシーンはサスガ!ハリウッドである。
主役はフインにイーサン・ホーク、エステラにグウイネス・パルトロウ
この映画の主役は男性です。
絵の好きな男の成長映画でもあります。
幼き頃に忘れてきた何かを思い起こさせてくれます。純粋だったあのころ、
初恋のあの思いを、初めての体験は大きくなってもズーット心の何処かにしまわれているのです。
それを思い出させてくれる。
むろん、一人一人の経験が違って居るのですが.....。
あなたの思いでは何処にしまってあるのでしょうね.....。
また、彼女を描くシーンが有るのですが、このシーンの演技は素晴らしい!
見る者をどきりとさせます。主人公の目が恋人から画家に変身するのです。
また、少年時代と大人になってからのシーンが繰り返されているのです。
当然、条件は違います。
しかし、それが、見る者を一瞬幼き想い出に戻すのです。
だから、一層新鮮になるのです。