イングリシュ・ペーシェント
本来は私の嫌いな悲恋物語である。不幸を見るのはつらいから...。
だから、避けてきたのだ。それに時間が2時間40分と長い!
だから、出だしは想像したような感じであったので、よそ見しながら、斜めに見ていた。
どことは言えないが、途中から、だんだんと釘付けになる自分に気が付く。
舞台の想定はマリーネ・デーリッヒの砂漠の花園(36)、モロッコ(30)を思わせる作りである。
恋愛映画の心に残るものは「結ばれない恋」だと、昔小森のオバちゃまが言っていた。
その説をこの映画も証明している。
始め複葉機の前に寝ている女性が後ろにパイロットが砂漠を低空で飛んでいる。
心安らぐ音楽とともに、音楽の終わる頃に高射砲でねらわれ、炎上......。
画面は変わり.....。
主人公の私ラズロ・アルマーシ伯爵(考古学博士)、K(キャサリン)(御金持ちのお嬢さん)、
Kの夫ジェフリー(パイロット)、考古学の仲間マードックス。
従軍看護婦(ハナ)、ハナの女友達(ジャンヌ)、爆弾処理イギリス軍人(インド人でシーク教徒のギップ)
メモしないと覚えられない位である。しかも、人相も変わってしまうから余計しっかりと見ないと
話がごっちゃになる。
形容詞のない概略は私アルマーシとマードックスが砂漠の遺跡を探している処に、K(キャサリン)と
ジェフリーが王立地理学会の推薦で参加する。移動の途中ふざけていて車が転倒。ジェフリー達が
助けを求めに、残った中に、私とKもいた、お互い異性として興味を持つ。そこに砂嵐。
無事、助かり、Kの家で宴会、ここで取り乱す。愛する気持ちが押さえられなくて。
また、発掘に出かける、がマードックスがKを連れてやって来るが、ふざけ過ぎで着地失敗、
マードックスは死亡、Kは骨折、助けを呼ぶため片道3日の町まで歩いて行く、帰りはすぐ来れる
と思ったから、だが、軍人にドイツ人のスパイと思われ連行。ここから何とか逃げ、
ドイツ人に地図を渡し、飛行機を手に入れ、急いでKの処へ。しかし、すでに死んでいた。
そこでKに化粧をし飛行機に、で高射砲で撃たれ炎上。
砂漠の商人に助けられ九死に一生を得る。従軍医療隊で運ばれる。途中エマの友人ジャンヌが
先に行って衣料を買うためエマに金を借り、多分恋人のジープで先へ、が、地雷で悲惨な
最後。まだ、地雷が埋まっていると、探知、ギップが見つけた地雷を取り除く。そこにジャンヌの
ネックレスを見つけ、地雷原に入るが、助かる。
休んでいる近くに屋敷をエマが見つけ、苦しがっている私をそこに運び、しばらく治療に残る。
そこに、どこかで聞きつけたか、ジェフリーが言葉巧みに居候。妻と自分の指の復習の為に
またまた、そこに、ピアノの音につられ爆弾処理班がやって来、エマが弾いていたピアノを止めさせる。
爆弾が仕掛けてあったのだ。しばらく近所の捜査の為彼らも滞在。
私はエマニに愛読書のヘロドトスの本を呼んでもらう。中に、私の日記もある。
エマはやさしいインド人と気が合い愛する。
ジェフリーはエマの隙を選んで私に近づき、私がアルマーシだと確信させ、私がドイツのスパイ
でジェフリーの指をドイツ人に切り落とされ、Kをどこかで殺したと認めさせた上殺そうとチャンス
を伺っていた。がいろいろと話を聞いているうちにジェフリーは殺意をなくす。
戦争も終わり、みんながここを引き払う時、私はエマに毒を注射する様頼む。エマは承知してくれた。
「ありがとう」とわたしが言い。最後に本を読んでくれるようたのむ。最後の章である。
私が飛行機でKの処に戻って来るところからである。Kはすでに洞窟で死んでいた.......。
味気ないあらすじはこの辺で、ただ、映画は負傷しているアルマーシとエマの話の中で
回想録の様に、語られるので、ややもすると、粗筋が見えなくなる。もし、順序良く描くと多分
間延びしてしまうかもしれないし、最後の感動的シーンでそんなには泣けないかもしれない。
確かに、淡々とした中に、反戦、反権、をもしっかりと見るものに植え付ける。
「私たちには国境のある地図や、権力も意味はありません」
チーク・ツゥ・チーク(頬に頬寄せて)が全編に良いところで流れる。
気持ちもチーク・ツゥ・チークになる。
 
 
ローマの休日(53)
オードリ・ヘップバーンの最高傑作である。
やはり、上映された時代の背景も多分に影響しているかも知れない。
少女漫画のお手本の様なストーリ、しかも、いいラブストリーは最後は結ばれないのである。
そこに、余韻が出来、ズーット心に残るのである。「慕情」も男が朝鮮戦争で戦死する。
お姫様、多分にイギリスの女王をイメージしている雰囲気がある。ま、そんな事はさておき
ストーリの設定、登場人物の設定、バックで流れる音楽。カメラワーク、そうナント言っても
舞台が主題のローマ、いまだにいろんな人の脳裏に美しいローマのイメージを植え付けている
私もその被害者の一人である。旅行のパンフレットは当然で、
最近、車の宣伝にもこの映画を使っていたものがあるくらいである。
本当のローマは違うのかも知れないが...。
それに、オードリは当時、妖精のようだと言われたくらいカワイイのである。
そう、目がすばらしいのである。
忘れちゃならない、ヘップバーンカット、当時かなり流行したらしい。
わたしは、あのフレアースカート..いい...。
相手役は新聞記者役のグレゴリーぺックこれまた、いかにもアメリカ人,無骨で
粗野で、でも、行動力があり頼れる良い男。しかも、見かけより、相手の気持ち
を大切にする。なかなかイナイヨナー!尊敬してしまう。
それを、取り巻く、人物達、みんな良い人達ばかりである。
よのなか、こうでなくちゃツマンネーヨナーと思わせる。
花売りのおじさんもつい、一輪のバラをくれる。それに、ちょっぴり冒険!
小さな冒険だが、だから余計いいのである。誰にも出来そうだから共感しやすいのである。
当時はやっていた、スクータに乗ってのローマの冒険。
最後に、謁見のところで、男が記者で、相棒がカメラマンと気が付いてからの
展開、何度見ても、俺には出来ないなーと思うと同時に、いいシーンだとつい
涙腺が甘くなる。
でも、これがあまりの出来だったから、後年、オードリはなかなか妖精から抜けられなく
大変苦労したようだ。これは映画を見る人間のレベルが引くいのが原因している。
まー、チョト余計なことだった。
ラブ・ストリーの原点、見ていない人は少ないとは思うが、ぜひ見てほしい作品である。
 
昼下がりの情事(57)
これもオードリの映画である。ゼン〜ブ、オードリの映画である。
バックに流れるギターの音色、ピッ〜〜タリの音楽なのだ!これが!
そして、オードリのよく似合う、そう舞台はパリ、洒落ていて、意外と垢抜け
していなくて、父親役はモーリス・シュバリエ!これぞピッタシ・カンカンである。
私立探偵仕事のほとんどが、浮気調査。一人娘のオードリは父の調査ノートを
ゼーンブ読んでいて、密かに憧れてもいた。
ひょんな事で、アメリカの富豪の新聞種にもなるプレー・ボーイ(ゲーリークーパー)
と知り合う。初めは、そんなでもなかったのだが...娘心は..。
ここのプロセスが実に!!丁寧に描かれている。
でも、彼はいまいちコチラニ振り向いてくれない。
一計を案じ、ココン所もいいのだ!、で結果、初老のプレーボーイは頭に呵呵と血が
上り...!、ココントコ、いやはや最高にわくわくハラハラの連続。
で、父親とも知らず、私立探偵を雇って、娘の調査をいらい。
さすが、プロ、でもなぜ娘が調査の対象になっているのかを推理するところGOOD
じゃありませんか。
しかしそこは、フランス人気質?決して娘を傷つけないようにして、別れさせる。
ここからは、女心がメーイッパイ。純真な人は胸が締め付けられるほど、
切なくなるはず。だから、いい。
そして最後のエンディング、駅での別れ....。
本当にいい映画はヤッパシ、イイ...!!!
 
幸福への招待(56)
クりスマスが近づくと見たくなる。気持ちだけでも幸せでいたいから。
最初はなんかの記録映画?と勘違いしそうになるがすぐに、目覚し時計で
眠気眼の主人公(フランソワーズ・アルヌール)私がまだ、高校のとき
ギャング映画で見初めてしまった。女優。今から見ると決して美人では
ないが...。
今はこんな職業はないと思うが、ホテル専属の美容院のマニキュアをする
人。そこのホテルは富豪が大勢泊りにくる。そこで、新人の変わりに
初老の夫婦がとまっている、部屋で仕事をする。だが、その時けたたましい
奥さんは別のところへ行ってしまうところ、だんなは嫌気がさしていて、
偽の怪我をしている。
だんなは、何とかこの娘とクリスマスのデートを取り付ける。
でも、年が離れすぎ。そこに車の修理をしている男を富豪の若い独身者
と勘違いする。男も、彼女を大金持の娘と勘違いする。
つまり二人ともうそを言っているのである。だんなのほうは車泥棒と勘違い
されて、牢獄へ、ここのところもフランスのエスプリ(チョト汚いが)が
きいている。
若い二人は、バスで豪華なディナーショー会場へ、途中バスが故障で
二人以外は皆帰る。二人だけの、夢のような、スィートな夜が流れる。
朝がきて、二人は別れる...。このディナーショウのとき流れる音楽
30秒ほどだがこの二人の思いとともに体中ががロマンに包まれる。
結局はうそがバレ、しかし、恋は、愛へと....。
ホテルは今日もいそがしい。
 
めぐり逢い(57)
最近、94年に再映画化された。
いずれ劣らぬいい作品だが、やはり本家がいい。
設定に無理がないのである。94年のは2個所大きく、無理をしている。
豪華客船に乗りあわせた、2人が恋に落ちていくお話し。でも二人とも
いい大人である。男は実際にも伊達男として超二枚目の看板役者
ケーリ・グラント、女は知性派美人大女優のデボラ・カー。この二人
だから、この映画の台本も生きてくる。
まず、この頃の映画としてはすでに、船の上の撮影をきちんと意識して
撮っている。つまり、画面をよく見ると、画面が、揺れているのである。
もし、これがないと、ホテルの話かと勘違いするかもしれない。
初めはプレーボーイと知っていた」彼女ではあったが、
彼の行動、特に、おばーさんに会いに行った時、彼のおばーさんに接する
態度、おばーさんの話など来って、本当に好きになってしまう。
ここは、非常にイイところである。こちらも、じーんとくる。
で、別れのとき、何年だったか忘れたが、何年か後にニューヨークで
一番高いところで逢おうと決めわかれる。
そして、歳月は過ぎ、逢う日、仕事もそこそこに、急いでいく、
上で待ってるだろう彼にあいに。ここで上ばかりみて歩いていた彼女
は車に跳ねられ病院へ。一方上では、彼が、必ず来ると信じて待っている。
夜になって、ついに現れない彼女への想いをつれて。
そして何年か後、車椅子の彼女は画廊で一枚の絵を見つける。そこには
思い出のシーンが描いてあったからである。
男は、或るとき彼女のアパートをたずねる。お別れをいいに来たのだ。
そして、帰ろうとしたとき、ふと自分の絵を物好きな女性が買っていた
話をする。している内に、男は、彼女が買ったのでは..とき付き。
隣の部屋を覗く。そこには、有ったのだ!あの絵が!
すべてを理解した。涙もろい人はここで必ずなくはず、分かっていても。
そこが、映画って本当にすばらしいですね。
プリティ・ウーマン(90)
現代版マイ・フェア・レディだそうで、しかしマイ・フェア・レディよりズーット
こちらが面白い、ジュリア・ロバーツのキャラクター設定が最高に良い!!
これがすべてといっていいくらいである。
ホテルの支配人の、あんな素敵なおじさんになれない自分が情けない。
食事のマナーを教わると所、映画の話だが、ついドキドキしてしまう。
また、洋服のショッピングシーン、お店の人の態度、それとやり取り
此れは当たり前のシーンの様で新鮮なをかつ、気持ちがむずむずする。
前後するが、大金持のリチャード・ギア、マニアルのフェラーリをろくに運転
できない!それを変わってジュリア・ロバーツが運転するのだが、旨いの
すごいの!私も運転はかなり自信はあるが(当然5段ミッション)コウハイカナイ!
車の運転の旨いのを見るとついついオオーとなるのは自分と比較するからだろう
最近でも運転しなくなったなー。車がおおすぎるし、人に迷惑をかけないで
運転を楽しめるところが日本にはないのも..。
最後はウエストサイドストリーの愛の告白の様に非常階段での告白!
良いなー!あんなかっこいいシーン我が人生にはマーンもナイ!!
ジュリア・ロバーツ、素敵!
黒いオルフェ(56仏)
上映当時、この映画のテーマ音楽が大ヒットしいつもラジオから流れていた。
場所ばブラジル、リオデジャネーロ、リオのカーニバルを明日に控えた時
船から一人の女性が降りてきた。何かにおびえたようにして。
電車に乗って車庫まで、そこで運転手にどこまで行くんだと聞き、名前は
「ユリディース」と聴かされ、行き先は自分の隣のいとこの家であると。
で案内をする。そこに近所の子が二人遊びに来る。ギター弾いてよと。
婚約者のミラと役場で婚約の手続きをしたとき、年行った役人に婚約者
は「ユリーディース」に昔から決まっていると...。
オルフェも騒がしく、恣意と深いミラより徐々に「ユリーディース」に惹かれる。
祭りで踊りの最中に覆面をした、怪しい怪人が現れ、ユリディースは怯えて
逃げまどう。オルフェも怪人を追いかけるが。
遂に電車の車庫に追いつめられ、電線に振れてユリディースは死ぬ。
オルフェはユリディースをあちこちと探すが....。
全体的にサンバのリズムがいいそして祭りの終わりとともに静かな
リズムになる。構成もいい。