真夏の夜の夢(98)

シェィクスピアにしてはチョト変わったコメディタッチのしかも、ハピーエンドな作品
これを映画化。

話は少々ややこしい、最近のラブロマンスなら、もっとややこしいのも有るけど...
それは、それとして、時は19世紀初めのころ、のトスカーナ地方を舞台にしている。
冒頭から男と女そして女の父親、娘を絶対娘ハーミアの惚れた男デミトリアスとの結婚を承服できない
父の気に入っているライサンダーになんとしても結婚さもなくば死を!と息巻いている。
この時代の状況はよく知らないが、父権は絶対だったようで...だからロミオとジュリエットも生まれた。
なぜか、伯爵シーシアスの元で裁判が始まっている。
この伯爵の妻ヒポリタ(ソフィー・マルソー)が怪訝そうな顔で横にいる。
結果は修道院に入るか、嫌いなライサンダーと結婚するかを選ばせる事になったが....。
そのライサンダーを恋いこがれているヘレナ(アリーマイラブのキャリスタ・フロックハート)が
強烈にアタック!ガ、ライサンダーは逃げる。
ヘレナは自分の不幸を不公平だと嘆く。
それが、ハーミヤとデミトリアスは駆け落ちする事にし、それをヘレナにうち明ける。
さて、その夜、ヘレナは一計を案じて、ライサンダーに2人の駆け落ちを教え。
森で2人になり、ハーミヤをあきらめさせようとしたのだが..。
また、その森には妖精達が居た。その妖精の王と后もなぜか喧嘩中。
王はなんとかもう一度とは思っているが....。
そこで、いたずら好きのパックにキューピットが落とした矢の場所に白い花が情熱の赤い花になった
花束を取ってこさせる。その露を寝ている者に垂らしてその者が目を覚ましたときそこに居た者に
恋するになるのだ。
それを、王はパックにライサンダーに試すようにと....ところがパックは間違えて、デミトリアスに!
彼は目が覚めたときそこに居合わせたヘレナに恋してしまう.....。
また、王、自身は后に...そして、演技に練習に来ていたへボ俳優ニックにしかもこのニックをパック
は魔法でロバにしていた。そのロバ男に王妃は恋し......。
さてさて....一体どうなるやら.....。
男と女の恋心のおもしろさをドタバタ的に演出したおもしろい作品。
そう、もう一つは妖精達のまるでギリシャの神々のような振る舞い。
そう、あり意味では、ギリシャ史劇をシェィクスピア的にアレンジしたような気もしないではない。
また、変な連想かもしれないが、アリーマイラブもこの延長にあるような気もする。ヘレナ役を
やっているキャリスタ・フロックハートの役柄が酷似しているせいもあろろうが......。
男と女が上手く行くには神懸かり的な事でも無ければ...ということなのだろうか?
この映画のように、お互いが惚れ有って夫婦になる事が最高なのだろうが...。
でも、なぜ多くのアンハピーエンドな作品を作っているシェィクスピアがこんな作品を作ったのだろう?
この映画を若者は楽しめるのだろうか?ちょと疑問だが、大人にとっては自分の昔を懐かしむ意味でも
なかなかほのぼのとして楽しめる作品で....さらにズーット心に残るだろう。
また、見方を換えれば、森での出来事がオズの魔法使いのような雰囲気を持っているとこも、
ホントに夢の出来事のようで、こんな夢を見てみたいと...。