U−571(2000)
潜水艦といえば57年制作の「眼下の敵」という、名作がある。
ロバート・ミッチャムが艦長をやっている、アメリカの駆逐艦と、
クルト・ユルゲンスを艦長とするドイツUボートの、生きずまる、戦い。
そして、戦い終わっての戦士同士の友情。戦争なのだが、まるでスポーツ
を見ているような、心理戦のさまは最高におもしろかった。
それ以降も何度も潜水艦の映画があるが、これほどの出来はない。
そのせいか、潜水艦の映画は何らかの形で心理戦の描写を取り入れている。
この映画も、その線にはずれないのだが....欠点としては相手が見えない。
逆に、相手を見せないことにより、より緊迫感を描いている様にもみえる。
たしかに、見えざる恐怖は大きい、また、主役が副官ということが、
一種の青春物のように、大人になる試練、この場合は”決断力”を求められる、
艦長の資質がもう一つのテーマーになっている所がポイントのようである。
ただ、ちょっといやなのは、ドイツが極悪人的扱いをしている一方的な描き方で
始終しているとこが...一時期あった、米軍の宣伝映画的に見えるのが残念である。
潜水艦の作戦としては「眼下の敵」とさほどかわらん。
2,3不思議なとこもある。
200mも潜るのシーンがあり、チーフがさすがとうなるシーンがあるが...
わたしの記憶では、当時の潜水艦は50mくらいしか潜れなかったと思うが...。
さらに、爆雷をドイツの駆逐艦から落とされるのだが....ドイツにあったけ??
ストーリーを逆転しているので、つまり、ドイツとアメリカの得なのは「眼下の敵」の
ように、駆逐艦と爆雷は対ウーボー用に作られた様なもので、ドイツに無いとは言わないが
得意ではなかったはず...。
ま、そんな疑問が多々あるが...。
戦闘シーンはなかなか迫力あるし、予期せぬトラブル、それに必死で対処する副官と部下の
行動はなかなか見応えがある。
今、世界的にリーダーの資質が問われている時代でもあり、その面でも興味ある作品だと
思える。
ま、そんな理屈なしにおもしろいが....女性...出てこない。
最近の映画には珍しい事だな。