タイタス(99)
監督が女性で有ることに、なるほどと感じた。
シェイクスピアの37本の戯曲中、
もっともショッキングな作品と言われる『タイタス・アンドロニカス』を映画化したものだそうで....
確かに、ショッキンなシーンは何度かある。タイタスの娘がタモラの息子達に強姦され
両手首、舌を切り落とされてしまうのだ、瞬間のシーンはさすがにないが、結果として
息子達が狂気としか言いようがないが歓喜に酔いしれているシーンの妙に美しく
陶酔的な映像と残酷さは..
また、タイタスが左手首をアーロンに切り落とされるシーンも思わずイタイ!!
最初はタイタスが戦争でタモラ一族を捕虜にしタモラがゆるしをこうが、長男を切り刻んでしまう
所から....、ローマーに凱旋してたが、
皇帝に兄弟の兄を選んだ所からタイタスの悲劇は始まる。
最初、兄がタイタスの娘ラヴィニアを妻にすると言ったが...実は弟が婚約していた。
この、兄弟、仲が悪い、かなりいかれた、兄と多少普通の弟。
そこで、弟が純愛を気取って、駆け落ちそれをタイタスの息子達も加勢。
そこで、兄のサターナイナスはなんと捕虜につれてきたタモラに一目惚れ!
それを后にした。当然、形成逆転、タイタスはぶが悪い。
しかし、タイタスは古いタイプの愛国者。自分のせがれを殺してしまう。
自分の名誉を汚したと!

この映画、今までにない映像作りをしている。今までなら、SF的な理由付けがあるのだが、
時代は中世なのに、冒頭はややSF的に始まるが、現代の兵隊やオートバイなども出てくる。
この時代錯綜的な描写は最後まで続く。しかし、それが不自然さがない、
むしろ、リアルですらある。効果としては現代に通じる話だと言いたいようである。
今はそんな愚かな事はしないと思うだろうが.....
むしろ、現代の方がむしろ、残忍なのだと。
人間の愚かさの一面が、これでもか!というほどに訴えてくる!
痛快アクション映画と違いはしないのだと...。

最後にかすかな救いはあるが......。



キャスト
アンソニー・ホプキンス(タイタス)
ジェシカ・ラング(タモラ)
ローラ・フレイザー(ラヴィニア)
アラン・カミング(サターナイナス)
ジェームズ・フレイン(バシアナス)
ジョナサン・リース・マイヤーズ(カイロン)
マシュー・リース(ディミトリアス)
ハリー・レニックス(アーロン)
アンガス・マクファーデン(ルーシャス)
コーム・フィオール(マーカス)
スタッフ
ジュリー・テイモア(脚本・監督)
ミレーナ・カノネロ(衣装)
ダンテ・フェレッティ(美術監督)
ルチアーノ・トボリ(撮影監督)
エリオット・ゴールデンサール(音楽)