白いカラス
The Human Stain
上映時間 108 分
ギャガ=ヒューマックス
2004/06/19

主演の一人が「めぐりあう時間たち」のニコール・キッドマンだからか、出だしの雰囲気
シチュエーション、音楽までが似ているのだ。
ただ、「めぐりあう時間たち」程には衝撃的でないのは音楽もそうなのだが、
「めぐりあう時間たち」はいきなりニコール・キッドマンの入水自殺から始まる。
白いカラスは交通事故で凍った川に反転して落ちるので、しかも、どうなったのか分からないうちに
画面が変わってしまう。むろん、おしまいになぜこの状況になったか?の説明シーンがあるのだが。
コールマン教授は人種差別的な言葉「spook」を未だに出席しない生徒に言った。
spookとは幽霊の意味だが、隠語として軽蔑、黒人、の意味がある。
これが問題になり長年貢献してきた学校をやめてしまった。
その日、奥さんに話したら、興奮のあまり、具合が悪くなり、数時間後に死亡してしまう。
ある時、郵便物を持って行った時に出会った女性とその帰り、彼女の車が故障していて止まっていた。
そこで、彼が家まで送っていった。家に着いたとき、彼女の招きに躊躇したが、結局そこで泊まった。
ココまでが事の始まり、
しかし、彼女にも人に言えないおおきな心の傷を持っていた。
映画は過去現在と織り交ぜながら進行していく。ぼんやり見ていると混乱するが、過去はなぜ奇妙な
カップルの存在があるかの裏付けのようなものである。
この映画では、コールマン・シルク教授の過去が重要になる。ニコール・キッドマンのほうはあまり無い
話で出てくる程度で、こちらは現在の方が重要かな。
いずれにしろ、心の微妙な揺らぎがテーマーだから、しっかりと見ないとわかりにくい。
「めぐりあう時間たち」ほどではないのだが...。
この二人を教授に頼まれ、小説に書く事になっていた、スランプの作家レスターの俯瞰的な目から見た
状況もある。つまり、補足説明のような...、これがあるから、「めぐりあう時間たち」ほどには見ていて
しんどくないのかもしれない。

最近、このような映画がよく作られる様になってきたのは、やはり、心を病んでいる人達が増えてきたと
言うことなのだろうか?この映画では答えを出していないのだが....。

監督: ロバート・ベントン Robert Benton
製作: ゲイリー・ルチェッシ Gary Lucchesi
トム・ローゼンバーグ Tom Rosenberg
スコット・スタインドーフ Scott Steindorff
製作総指揮: ロナルド・M・ボズマン Ronald M. Bozman
スティーヴン・ハッテンスキー Steven Hutensky
エバーハード・ケイサー Eberhard Kayser
アンドレ・ラマル Andre Lamal
マイケル・オホーヴェン Michael Ohoven
リック・シュウォーツ Rick Schwartz
ボブ・ワインスタイン Bob Weinstein
ハーヴェイ・ワインスタイン Harvey Weinstein
原作: フィリップ・ロス Philip Roth
脚本: ニコラス・メイヤー Nicholas Meyer
撮影: ジャン=イヴ・エスコフィエ Jean-Yves Escoffier
音楽: レイチェル・ポートマン Rachel Portman
出演
アンソニー・ホプキンス
 Anthony Hopkins : コールマン・シルク教授
ニコール・キッドマン
 Nicole Kidman : フォーニア・ファーリー
エド・ハリス
 Ed Harris : レスター・ファーリ
ゲイリー・シニーズ
 Gary Sinise : ネイサン・ザッカーマン
ウェントワース・ミラー
 Wentworth Miller : コールマン・シルク青年
ジャシンダ・バレット 
 Jacinda Barrett : スティーナ・ポールソン
アンナ・ディーヴァー・スミス
 Anna Deavere Smith : ミセス・シルク