めぐりあう時間たち
The Hours (2003/5)


この映画は1度や2度見ただけではよく分からない。
3,4度見ても分からないかもしれない。
ただ、最初から分かってしまう人もいると思う。
冒頭から自殺シーンがあって、あさはかは私はサスペンス映画か?と思ったくらいである。
また、全編に流れるフィリップ・グラスの音楽がドンドンと映画の中に否応なく引きずり込んでしまう。
こんなに音楽が作品の重要な位置を占めるのはかなり珍しい。
もし、この映画にこの音楽が無かったら....たぶん観てるのが辛いと思う。
女優たちも素晴らしい。
ニコール・キッドマンは全くイメージが違っていたので気づかなかった位である。
この人、病的な演技をさせるとピカイチかもしれない。
3人の時代も違うのだが、ヴァージニア・ウルフ(N・キッドマン)が執筆する「ダロウエイ夫人」
でつながっている程度であるが。
それぞれ人生を真剣に捕らえようとしている。ただ、自分の内面に捕らわれすぎ不幸な結果に
なっているのが、作者とここら辺は議論してみたい所だ。
さらに、映画の表現としても3人のドラマが織りなして出てくるためややこしい感じになるが、
緊迫感が出てくる。
もし、これが順番になっていたら、ケッコウつまらない作品になったかもしれない。
先ずは、作品を観て、音楽にひたり.....
ただ、自殺願望のある人や現実逃避のある人は観ない方がいいと思う。
私はこの彼女たちの生き方が正しいとは毛sっひて思わないし、
もっと、別の人生のとらえ方もある事も知っているからである。
ま、私も若いときは人間社会の汚さが目について死のうかと思ったことも多々あるが...。
でも、一度の人生だから、意識が有るうちは最後までどんな人生かを経験してみようと...。

監督:スティーヴン・ダルドリー
脚本:ディヴィッド・ヘア
音楽:フィリップ・グラス
原作:マイケル・カニンガム
制作:スコット・ルーディン
製作総指揮:マーク・ハッファム
撮影監督:シーマス・マクガーヴィ
美術:マリア・ジャーコヴィク
衣装:アン・ロス
編集:ピーター・ボイル

俳優:
ヴァージニア・ウルフ(ニコール・キッドマン)
ロ−ラー・ブラウン(ジュリアン・ムーア)
クラリッサ・ヴォーン(メリル・ストリープ)
クラリッサの元恋人(エド・ハリス)
クラリッサの娘(クレア・デーンズ)
ローラの夫(ジョン・C・ライリー)
ローラの親友(トニ・コレット)
ヴァージニアの夫(ステファン・ディラン)