子ぎつねヘレン

カメラマンの母が仕事で知人の動物医師矢島に息子の太一を預けた。
太一は学校でもいじめられ一人ぼっちで寂しかった。
学校の帰り道で動かないでいる子狐を見つけ交番に届けるが、警官は
なんと、預けられている矢島医師の所に連れて行く。
矢島病院はお人良しのため、裕福ではないし、いろいろな動物を分けありで
飼っているので、問題の多い子狐まではといぶかる。
それで、狐を連れて太一はあてどなく逃げ出すのだが.....
結局、元気が出るまでと飼うのだが、なんと子狐は目が見えない、耳が聞こえない
だから、声も出せない。
まるで、3重苦のへレンのような状況だった。それでも太一は飼うとガンバル!
それで、子ぎつねをヘレンと名づけた。
動物好きの人にはたまらなく愛おしくなるように出来ている。
また、太一が孤独なのと重なって、ヘレンとの心の交流が痛々しく、愛おしい。
ま、題材として、受けるはずである。
この映画をみて、好きでないという人は、心に何らかの病を持っている。
でもそんな人でも、素直に見てもらうと、たぶん、泣けてくると思う。
主役が子供、しかも孤独、動物は愛らしい子供、母親は仕事人間だが夫が居ない。
相手の動物医師も難しい年頃の女の子の父親、しかも、お人よしでお金がない。
娘の涼子は母親代わりを演じているが.....。
ま、それぞれの役がどれも受ける題材ばかりである。ズルイと言いたくなるくらいである。
ただ、貧しい医師のはずであるが、結構良い車に乗っているし、パソコンも中古とは思えない。
さらに、趣味でキタキツネの写真を撮っている。

大沢たかお(矢島幸治 美鈴の父)
松雪泰子(大河原律子 太一の母)
深澤嵐(大河原太一 小3)
小林涼子(矢島美鈴 中2)

監督:河野圭太
原作:竹田津実
音楽:西村由紀江
脚本:今井雅子
撮影:浜田毅
アニマルトレーナ:宮忠臣
編集:田口拓也