ハウルの動く城
2004/11/20

オリジナルがどういう物語かは知らないので、確実なことはいえないが、
少々、いままでの宮崎 駿の作品と違うかな?と感じた。
「紅の豚」では宮崎 駿の男のロマンが描かれていたが、
今度は男の観点からのコウあってほしいと思う女性像が描かれたのだと思う。

基本、男が描いた女性は、残念ながら、外からの女性しか描けていない。
ま、当然なのだが....。「紅の豚」にも宮崎 駿の愛したい女性が描かれているが、
これはもうチョイ違う。母性がより強い女性なのだ。

この荒野の魔女の嫉妬でおばあさんにされたソフィー なのだが、
嘆き悲しんで自暴自棄になったり自殺したりしないのが良い。
むしろ、強く生きる姿が、少々図々しいくらいなのだが、それを年のせいにしているのも
面白い。ま、実際、男女問わずに年行くとそうなる。ま、そうならないと息苦しい。

また、場面によって年齢が少々若くなったり、元に戻ったりするが、当人は気付かない。

ハウルは男としてのロマンがあるのだが、戦い疲れて戻ってくると、ソフィーに癒される。
ある意味、良い家庭だ。

動く城も、最初は汚れ放題だが、ソフィーが掃除をし綺麗になる。
また、料理も普通なら言うことを聞かない火の悪魔、カルシュファーの上を行く知恵で
料理を作る。動く城に家庭が出来たような感じになる。
世の中の男性所帯に家庭的な奥さんが来ると綺麗になると同様である。

そのソフィーを愛する様に成っていく様も心温まる。

魔法の世界を借りて、一種の良き家庭のあり方を示しているかのように思えた。

ま、そんな事を抜きにしても、実に楽しませてくれる作品である。
意地悪なカルシュファーも協力的になるし、荒野の魔女でさえそうなるのだ。
そしてハウルはソフィーのために良い城を作る。

ソフィー     倍賞千恵子
ハウル     木村拓哉
荒野の魔女  三輪明宏

カルシュファー 我修院達也
マルクル     神木隆之介
小姓       伊崎充則
かかしのカブ  大泉 洋
国王       大塚明夫

ヒン       原田大二郎
サリマン    加藤治子
原作  ダイアン・ウィン・ジョーンズ
    「魔法使いハウルと火の悪魔」
脚本  宮崎 駿
音楽  久石 譲
主題歌 「世界の約束」
  作詞 谷川俊太郎 作曲 木村 弓
  歌 倍賞千恵子
作画監督 山下明彦 稲村武志 高坂希太郎
美術監督 武重洋二 吉田 昇
色彩設計 保田道世
デジタル作画監督 片塰満則
映像演出 奥田 敦
録音演出 林 和弘
整音   井上秀司
効果   野田 透

制作   スタジオジュブリ