Vフォー・ヴェンデッタ
V for Vendetta (2006)

元はアメリカンコミックのようだが、
マトリックスを作ったスタッフが集まって練り上げたという。
その為か、内容が濃い。奥深い。感心させられる位に良くできている。

ジッロ・ポンテコルヴォ 監督の『アルジェの戦い』(66)
レイ・ブラッドベリ原作の『華氏451』(66)、
リンゼイ・アンダーソン監督の『if もしも…』(68)、
スタンリー・キューブリック監督の『時計じかけのオレンジ』(71)、
ジョージ・オーウェル原作の『1984』(84)、を参考にしたという。

911でアメリカはテロを撃退するんだという錦の御旗を掲げ、極右翼化した。
テロを検挙するには手段を選ばないと....。そして戦争!
また、かって、ドイツがナチスを台頭させて、やりたいほうだいの歴史的に恥じる行動をした。
日本も、ヒットラー程のカリスマは居なかったが、似たような事態になった過去がある。
戦後のソビエットも共産主義と言う隠れ蓑を着た独裁政治であった。
近代の歴史はこういった事に暇がない。
この映画はそれらを連想させるに十分な出来である。
舞台はイギリスでサトラー議長が暗黒政治を強いている。夜は外出禁止、出ると即、秘密警察に
検挙され何をされても文句が言えない状況だ。
国民も、この事態を容認しているわけではないが、静観している。怖いのだ。
その仮面は伝説の人物ガイ・
フォークスを模したものだ。破壊活動家として実在したフォークスは、400年あまり前に
凄惨な最期をとげた。とマクティーグは言っている

イヴ扮するナタリー・ポートマンの演技はスゴイ!向こうの女優の演技は半端じゃないね。
この映画は珍しく言葉で説明するシーンが多い。だから日本語吹き替えがお勧めである。
Vは悲惨な過去を持っていて、超人化している。そのとき首都に毒をまき80万人の人を殺したが
政府は反政府の陰謀者達がやった事にして、それらを撃滅する為に徹底した恐怖政治を行っていたのだ。
Vはその20年後に現れ、偶然にもイヴを助けることになる。
そこで、彼の残酷なまでの復讐劇は、純粋な反政府テロリズムになる。

この映画を作った人たちは、今、世界が右翼化している事を大いに憂いているんだろう。
実際、最近明らかになって居るようだがアメリカのアラブ系の人たちへの弾圧はかなり行き過ぎ
のようだ。この映画ほどではないが....。

何故、テロが起きるのか?と考える方が問題を解決する近道のように思うが....。


Starring:
Natalie Portman,
ナタリー・ポートマン,イヴ
Hugo Weaving,
  ヒューゴ・ウィービング、V
 Stephen Rea,
  スティーブン・レイ、フインチ警視
 John Hurt,
  ジョン・ハート、サトラー議長
  Stephen Fry
  ステファン・フライ、ゴードン・ディートリッヒ
Directed by:
 James McTeigue、ジェームズ・マクティーグ
Writers
Andy Wachowski
 アンディ・ウォシャウスキー
Larry Wachowski
 ラリー・ウォシャウスキー
Produced by:
Benjamin Waisbren,
  ベンジャミン・ワイスブレン
 Joel Silver,
  ジョエル・シルバー
Graphic Novel Illustrator
David Lloyd
  デイビッド・ロイド