井上義昭 回顧展 会期●2003年5月1日(木)〜6日(火) 10:00〜18:00(休日10:00〜17:00) 会場●柏崎市ソフィアセンター 2F展示ホール・2室〜4室 |
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ごあいさつ | |
退職しました。これを契機に今までの作品を並べて、作品と 自分自身を見つめなおしてみたいと思っています。 北国の海辺の風景で、そこに暮らす人々を描いていた。70 年頃であろうか、東北へのスケッチ旅行の車中より鯨波の浜 茶屋群を見た。帰りにそこへ下車し泊まった。昼の賑わいと変 化のある浜茶屋の形に魅かれた。対称的に朝方の人気のない 静けさと窓が閉じられ単なる箱みたいな浜茶屋が、殺風景で 寂しく強く心が動かされた。孤独感や不安感が迫ってきた。 夏が終わると砂上の楼閣の浜茶屋は無い。その独特の形も年々 少なくなり、砂浜も侵食や護岸のためにどこかへ追いやられ、 浜辺の風景は急速に変わってきた。この激しい浜辺の変貌は 人間の生活の変化でもある。 画面から浜茶屋は消え新たなモチーフを求めて来たが、テ ーマは最初に浜茶塵に出会った時と変わらない。現代社会が 抱えている崩壊感、平和に暮らす家族や邑常の生活の中に見 る不安。しかし、画面はそれを替ってくれない。 浜茶屋に出会ってこのテーマで30数年描いて来たが、今後 はもう少し自由に、モチーフやテーマの幡を広げられたらい いなと考えています。 新緑の季節、お出かげの計潜もおありかとは存じますが、何 とぞご来場の上、ご指導を凝りたくご案内申し上げます。 |